この記事では、最近ウイスキーにハマってきた筆者がハイランドパーク12年を実際に飲んでレビューしていきます。
まだまだ初心者なので複雑な何種類もの味や香りを識別することはできませんが、ウイスキーを飲みなれていない初心者の視点に立ったレビューができると思います。
今回いただくのはハイランドパーク12年の旧ボトルです。
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基本情報
商品名 | ハイランドパーク 12年 ヴァイキング・オナー |
生産地 | スコットランド(アイランズ) |
蒸留所 | ハイランドパーク蒸留所 |
種別 | シングルモルト |
度数 | 40% |
樽 | ヨーロピアンオークのシェリー樽 アメリカンオークのシェリー樽 |
価格 | 約5000円(2023年1月時点) |
ハイランドパーク蒸留所のスタンダードなボトルと言えばこの「ハイランドパーク12年 ヴァイキング・オナー」です。
ハイランドパーク蒸留所が位置するオークニー諸島は、かつてヴァイキング(海賊)たちが冒険的遠征の本拠地にしていたと言われています。
そのため、島にはヴァイキング文化が残っており、それが島民のアイデンティティにもなっているそう。
ヴァイキング・オナー(viking honour)は、そんなヴァイキングに敬意(honour)を表すという意味が込められています。
ウイスキー評論家のマイケル・ジャクソン氏は
シングルモルトウイスキーの中で最もオールラウンダーなウイスキーだ。
https://twitter.com/highlandpark/status/1110851707494371328
The greatest all-rounder in the world of malt whisky.
とハイランドパーク12年を評価しています。
このことから、ハイランドパーク12年は完成度が高くバランスの取れたウイスキーであると言えるでしょう。
ハイランドパーク蒸留所の特徴
場所
ハイランドパーク蒸留所は、スコットランドのアイランズに分類されるエリアに属しています。
アイランズの中でもオークニー諸島に位置しており、スコットランドの蒸留所の中では2番目に北にある蒸留所でもあります。
アイランズとは?
スコットランドの北から西にかけて島々が点在しているエリアを指す。
アイラ島もその地域に含まれているものの、その特徴さゆえにアイランズとは区別される。
アイラ島以外の島=アイランズと覚えておけば大丈夫。
歴史
年代 | 出来事 |
---|---|
1798年 | 設立 |
1826年 | 政府公認となる ロバート・ボルウィックが管理 |
1895年 | グレンリベット蒸留所のオーナーであるジェームズ・グラントが蒸留所を購入 |
1898年 | ポットスチルを2基から4基に増設 |
1937年 | ハイランド・ディスティラーズ社が購入 シングルモルトウイスキーを主軸とする方針になる |
1979年 | ハイランドパーク12年が発売 |
1999年 | エドリントングループとウィリアムグラント&サンズ社がハイランド・ディスティラーズを買収 |
2003年 | ハイランドパーク30年が発売 |
現在 | 現在もエドリントングループ傘下にある |
ウイスキー作りのこだわり
ハイランドパーク蒸留所のウイスキー作りにおけるこだわりは以下のとおりです。
- 伝統的なフロアモルティングを採用
- ヘザーの花が堆積してできたピートを使用
ぞれぞれ、詳しく解説していきます。
フロアモルティング
まず、ハイランドパーク蒸留所では伝統的なフロアモルティングを採用しています。
フロアモルティングとは?
まず、モルティングとは大麦を芽が出ている状態(麦芽)にする過程のこと。
そのために水に漬けるのだが、丁度良いところで発芽を止める必要がある。
そこでフロア(床)に麦芽を敷き詰めて、職人が4~6時間おきに木製のシャベルで攪拌する。
フロアモルティングは昔からスコットランドで行われてきた伝統的な方法ですが、その非効率性ゆえに現代でこの手法を行う蒸留所はごくわずかとなっています。
多くの蒸留所はモルトスターという麦芽製造業者を利用しており、大型機械を使用して温風を送り込むことで効率よく麦芽を作っています。
今もなおフロアモルティングを採用している蒸留所は
- ラフロイグ
- ボウモア
- キルホーマン
- スプリングバンク
- バルヴェニー
- ベンリアック
と数えるほどしかありません。
このフロアモルティングこそがハイランドパーク蒸留所の揺るぎない信念の現れだと言います。
ヘザーピートを使用
次に、ハイランドパーク蒸留所ではヘザーの花が堆積してできたピート(ヘザーピート)を使用しています。
ヘザーとはスコットランドの国花の1つであり、ハイランド地方の荒野でよく見られます。
そんなヘザーが何千年も堆積してできた「ヘザーピート」を使用することで、アロマティックでバランスの取れたスモーキーフレーバーが生み出されるそうです。
ヘザーピートは下記の写真のように窯で炊かれ、麦芽の仕上げの乾燥と香り付けのために使われます。
このようなヘザーピートの香り付けに加えて、主にシェリー樽で熟成することによって「穏やかなスモーキー&ハニー」という香りや味わいが生まれるそうです。
テイスティングレビュー
公式テイスティングノート
色 | 輝かしいアンバー |
香り | ヘザーハニーの甘さとピーティーなスモーキーさ |
味わい | 丸みを帯びたスモーキーな甘さ、モルト感が口に広がる |
余韻 | ヘザーのヒントと少しスモーキーで甘い余韻が長く続く |
実際に飲んでレビュー
それでは実際に飲んでいきます!
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まずは香りから。
複雑で形容しがたい…
まず、華やかな蜜のような香りが主体となっているのが感じ取れる。
その中に飲みにくそうなクセのありそうな香り。
余市っぽさと言えばいいのか、樽由来のスパイシーさやゴム感と言えばいいのか。
かすかに、麦芽感もあるような?
初心者には判別が難しい。
とりあえず香りはこれくらいにして、一口飲む。
苦み、甘さ、ジンジャーの順で口の中に広がる。
苦みと甘さが合わさってビターチョコのよう。
香りほどに飲みにくさは感じない。
余韻はドライで重厚感があり、スモーキー。
かと言って、スモーキーさの主張は少ない。
後味にも、ジンジャーのようなピリピリするスパイシー感がある。
ごちそうさまでした!
飲み終わると、ヴァイキング精神への敬意とともに頭をさげている自分がいた(?)
まとめ
- 香り
華やかな蜜が主体となっている
その中に飲みにくそうな香りも感じるがおそらく樽由来
かすかに麦芽感?
- 味わい
苦さと甘さが合わさってビターチョコのよう
あとからジンジャーのようなピリピリ感
スモーキーさがほんの少し
- 余韻
スモーキー
ドライで重厚感がある
ジンジャーは長めに残る
- 総評
華やかな蜜かと思いきや、複雑な香りを醸し出してくるウイスキー
味わいは優等生だが、香りや余韻にスモーキーさやクセを感じる
レビューまとめ
この記事では、ハイランドパーク12年についての解説とレビューをしました。
レビューのまとめは以下のとおりです。
まとめ
- 華やかな蜜の香りが主体だが、その中に複雑さが感じ取れる
- 味わいはほろ苦くて甘くて飲みやすい
- 香りや余韻からスモーキーさやクセを感じる
最後まで読んでくださりありがとうございました。
参考になりましたら幸いです。
今回紹介したウイスキー
テイスティングに使用したグラス